「木の文化を大切にするまち・京都」の取組

 「環境モデル都市」に選定された京都市により,2030年までに温室効果ガス排出量の40%削減という目標を達成するためのシンボルプロジェクトの一つとして,「木の文化を大切にするまち・京都」市民会議が設置されました。
 この取組は,森林に恵まれた京都が歴史的に培ってきた木造建築や景観などの「木の文化」を踏まえた低炭素景観の創造を目的として,適正に管理された森林から供給される木材等を,継続的に市内での建築活動などに使うことで,持続可能な木材の循環サイクルを構築することを目指しており,これを実現するための主要なプロジェクトの一つとして「平成の京町家」が検討・開発されました。

「木の文化を大切にするまち・京都」の目指すべき姿:循環サイクル

「木の文化を大切にするまち・京都」の目指すべき姿:循環サイクル


今、なぜ京都型省エネ住宅「平成の京町家」が必要か?


喫緊の課題である地球温暖化対策の取組が各国で進められている中,我が国においても,住宅に対して省エネ基準への適合を段階的に義務化する案(PDF: 232KB)が示されるなど,住宅の省エネ化(高気密・高断熱化と使用機器の高効率化)に向けた取組が,急速に強化されていくものと考えられます。
こうした取組は,環境問題を緩和する一方,無条件に受け入れてしまうと,地域色あふれる豊かな住文化の多様性が損なわれていくおそれがあります。
このため,京都が伝統的に培ってきた建築システムや住文化を継承した,京都型の省エネ住宅の開発と普及が必要とされています。

西欧の住宅

西欧の住宅
西欧の住宅


西欧の住宅は,厳しい冬の寒さに対処するため,厚い壁で囲った密閉性の高い空間を構成することによって外部環境を遮断するすまいです。こうした考え方が,住宅の高断熱・高気密性や設備機器の効率性を高める現在の省エネ住宅の原点となっています。


京町家をはじめとした,日本の伝統的住宅

京町家をはじめとした,日本の伝統的住宅
京町家をはじめとした,日本の伝統的住宅


日本の伝統的な住宅は,かの吉田兼好が「すまいは夏を旨とすべし」と言っているように,高温多湿の気候風土において夏の蒸し暑さに対処するため,風通しがよく開放的な空間を構成することによって外部環境と共生するすまいです。こうした考え方は,外部環境と対峙する現在の省エネ住宅の考え方と異なるため,日本に合った省エネ住宅を模索する必要があるのです。


京町家をはじめとした,日本の伝統的住宅
京町家断面の概念図
【出典】
「住まいの断熱読本
夏・冬の穏やかな生活づくり」
荒谷 登、石田 秀樹 他
北海道外断熱建築技術協議会編著
彰国社、75-76
2001年2月